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古式を守り、未来を築く。ねるものコーポレーション・麻生大輔さんが追求する富山かまぼこの新たな価値

レッド

written by 大西マリコ

株式会社富山ねるものコーポレーション

富山県は伝統的な細工かまぼこや渦巻きかまぼこなど独自の食文化を築いてきました。その伝統を受け継ぎながらも、新たな挑戦を続けているのが株式会社富山ねるものコーポレーションです。

無添加かまぼこや未利用魚の活用など、革新的な取り組みを通じて富山のかまぼこの新たな可能性を切り拓く代表取締役の麻生大輔さん。古式蒲鉾の伝統技法と現代のニーズを融合させた独自のアプローチで、富山の食文化を全国に発信し続けています。

インタビュイー:麻生 大輔さん

インタビュイー:麻生 大輔さん

株式会社富山ねるものコーポレーション代表取締役。富山県蒲鉾組合青年部会長を経て、平成26年に今村蒲鉾との共同出資で現在の会社を設立。無添加かまぼこ「はべん」シリーズで注目を集め、富山のかまぼこ文化を全国に発信している。

市場で育った少年が継いだ家業

――麻生さんが、かまぼこの世界に入られた経緯を教えてください。

実家が「麻善蒲鉾」というかまぼこ屋を営んでいました。高岡市の市場に住居兼工場があって、その2階で育ったんです。生活の中にかまぼこがあって、一番の遊び場は市場の中でした。クジラが来たと言って見に行ったり、そんな環境でしたね。

父親は私に跡を継げとは言わず、「東大行けよ」なんて言ってました(笑)。ただ、父が早く亡くなってしまったため、正直当時はかまぼこにそれほど興味がなかったのですが、家業ということで必然的に継ぐことになったんです。


――そこから新しい会社を立ち上げるまでの転機は何だったのでしょうか?

40歳ぐらいの時に富山のかまぼこ組合青年部で会長をやっていて、若手で色々な活動をしていました。その中で、何かみんなでまとまって新しいことができないかなと思ったんですね。

決定的だったのは、高知の『浦戸蒲鉾塾』での経験です。近畿大学の故・志水寛先生に「古式蒲鉾」の作り方、伝統技法を教えてもらったんです。それにすごく興味を持って惹かれて、いつかやってみたいという気持ちが生まれました。

 

本物のかまぼことは何か。地元の魚で作る意味

――古式蒲鉾とはどのようなものなのでしょうか?

今、国内のかまぼこ生産の8割ぐらいは、アメリカから輸入された冷凍スリミを使うのが主流なんです。でも古式というのは、例えば高知なら高知で底引きされ獲れた「えそ」という魚を、自分たちで捌いてそこから作る方法です。

栄養機能の面でも、自分たちの土壌にあった魚を使うというのが、本来のかまぼこの作り方だと思うんです。みんな同じにならないということが大事だと思っています。


――現在の会社での取り組みについて教えてください。

私たちは無添加でかまぼこを作ることと、国産の水産資源の使用率を50%ぐらいまで使いたいという気持ちでやっています。

富山では渦巻きかまぼこや鯛のかまぼこなど伝統的なものを作る一方で、生のすり身もよく食べられています。例えば居酒屋に入ると必ず「すり身揚げ」というメニューがあるんです。この名前は富山にしかないんですよ。そういう食文化を活かして、近場で獲れた魚を使った取り組みをしています。

 

時代が追いついた「はべん」の挑戦

――おすすめの商品を教えていただけますか?

今、スティックかまぼこの「はべん」というのを作っています。「はべん」というのは、富山や金沢での練り物の呼び名なんです。その言い回しをする人が今ではほとんどいなくて、うちのおじいちゃん、おばあちゃんぐらいの世代が「はべん、はべん」って言っていました。

古式蒲鉾の伝統的な作り方を基本にしていこうということも含めて、昔の名前でブランディングしたらどうかと思ったんです。サーモンやブリなど色々な種類があり、全て無添加&天然素材を使って作っています。


▼越中高岡伝承蒲鉾 はべん

富山の方言で「かまぼこ」を意味する『はべん』。化学調味料を使わず、素材本来の旨みにこだわった富山の美味しいかまぼこです。開封しやすいイージーオープンパッケージで、パッと開けてパクっと食べられるのが魅力です。

はべん 赤巻かまぼこ3本入り
https://shop.nerumono.co.jp/item-list?categoryId=60425

 

――商品開発では苦労もあったと聞きました。
「はべん」を始めたのが9年ぐらい前なんですが、その時はまだコンビニにサラダチキンとか売ってなくて、片手で食べるような商品はあまり浸透していなかった。全然売れませんでしたよ。せっかく大きな機械を入れたのに、月に3〜4回しか稼働させられなくて、悩みました。

幕張メッセで毎年開催される「スーパーマーケットトレードショー」に初めて出展した時も、2日間で250枚ぐらい名刺交換したんですけど、最終的につながった取引はゼロでした。

でも今では健康志向の高いお客様を中心に支持されるようになって、機械も毎日稼働しています。食に関して健康や無添加に関心が高まり、時代が「はべん」に追いついたのかなと思います。

 

富山の恵みを活かしたものづくり


 

――富山の自然環境も重要な要素ですね。

はい。工場のすぐ近くには清流「庄川」が流れていて、美味しい水が豊富な場所です。立山連峰や白山に降った雪が雪解け水となって、地下を通って流れているんです。昔から湧き水の豊富なところで、それを使用しています。

富山湾の海底からも湧き水があって、そこにプランクトンが集まって食物連鎖が起こって魚が豊富という環境もあります。水は非常に良いですね。


――新たな取り組みとして、未利用魚の活用もされているそうですね。

市場に流通しない魚がまだまだたくさんあるんです。獲れるんだけど捨てられちゃったり、食べたことのないものには手を出さなかったり。昔は「この魚じゃないとかまぼこを作れない」なんて人はいなかった。獲れたものでちゃんと作ろうよ、というのが本来の姿です。

例えば、「シイラ」が富山でたくさん余って困ってるという新聞記事を読みました。近年は海水温度が上がって、元々獲れていた魚が北上してしまい、代わりに南の魚が獲れるようになったんです。すぐ電話して1年間取り組んで商品化に至りました。

 

真面目になりすぎず、楽しさを大切に

――お仕事をする上で心がけていることはありますか?

あんまり真面目になりすぎないことですね。仕事になると、つい真面目になってつまらなくなってしまう。本来は自由で楽しいはずなのに、これは反省点です。

展示会とかに出て試食していただいて、「こんなのあるんだ」って言われると、やっぱり嬉しいですよね。音楽も好きでやるんですけど、演奏を聞いてもらって「よかった」と言ってもらえるのと同じです。食べ物を作っているので、食べてもらって「これが自分に合ってる」という人が出てきて、繰り返し食べていただいて、その人の食生活の中に存在するものになるというのがとても嬉しいです。


――麻生さんから見た富山県の魅力を教えてください。

やっぱり自然でしょうか。冬はスキーがおすすめです。有名なスキー場はインバウンドで料金が高く、混雑していたりするんですけど、富山のスキー場は平日に行くと数人しかいなかったりして。料金も1日券が2500円前後と安いんです。

春に雪が溶けたらサイクリングするのも気持ち良いですよ。とくに氷見から黒部、朝日町まで海沿いの道は素晴らしいです!

 

世の中に必要とされるものを作り続けたい

――最後に、今後の展望をお聞かせください。

今取り組んでいる「はべん」シリーズを全国展開して、安定してペイできるような設備投資もできるスタイルまで売ることがまず大事ですね。それができたら、次の新しい商品を作りたいです。

私たちぐらいの小さな規模で、世の中に必要とされるものを作っていくということを、住み慣れた故郷、富山でやっていければと思っています。

 

▼ 富山ねるものコーポレーションについてはこちら!

公式ホームページ:https://nerumono.co.jp/
オンラインショップ:https://shop.nerumono.co.jp/

 

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